昨シーズンの世界選手権フリー『くるみ割り人形』では、
演技の終わる前からスタンディングオベーションでたたえられた、ミーシャ・ジー選手
5月下旬に、日本選手たちの振付けのために来日した際、お話を聞きました。

そのインタビューは、『フィギュアスケートLife』Vol.10にどーんとありますが、
そちらに載せきれなかった分を、掲載します。
掲載、写真に関して、ミーシャ選手の了承をいただいています。


  
◆ ◆ ミーシャ・ジーインタビュー ◆ ◆ ◆ 


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―ここまでのスケーター人生で、ターニングポイントはありましたか?

「大きなターニングポイントはなかったかな。
小さい一歩を重ねてここまで来た感じだから。
でももし1つ挙げるなら、6位になった世界選手権(2015年)は1つの転機ではあったかもしれないです。
6位になった後、いろいろなものが違った風に見えるようになってきました。
物事に対して、違った角度からの視点を持てるようになったってことかな。視界がワイドになっていろいろなことが見えるようになって、システム、音楽、得点、演技とかいろいろなことを、違った視点で見られるようになったし、そのおかげでいろいろ考えることができたと思います」

―競技を続けるかどうかはまだ考えている最中だとのことですが、スケーターとして、アイスショーへの出演オファーは来ていますか?

「たくさんいただいています。
でも今の時期は振付けに集中したいので、シーズンに入って振付けが落ち着いたらショーにも出たいと思っています。
すでにこの秋や冬のショーに出演してほしいというお話をいくつかもらっているんだけど、まだ選手として続けるかどうかも決めていないので、ね」

―ここまでのスケーターとしての競技人生から、どんなことを学びましたか?

「スケートは、人生についていろいろと教えてくれました。
どうやったら強くなるのかとか、難しい局面のときにはどう対処していくのか、精神的に辛い時や身体的に辛い時どうするのか、痛みとどう向き合うのか、とか、いろいろなことを教えてくれました。
そういう経験から、僕を、強い人に変えてくれましたね。
とはいっても僕はこれまで20年間、スケートしかしてきていないんです。
みんな、僕たちスケーターよりもたくさんのことをいろいろ知っていますよね。
でも僕たちは、20年間スケートだけ。
だから、何者かになるには、ちょっと遅すぎちゃっている面もあるんだよね。
何者かになるには、15歳くらいから勉強しなくっちゃ。
ただ僕の場合は、両親が早くからいろいろ教えてくれたから、スケートに軸を置きながら新しいことにトライしてきたし、今もいろいろやっているんです」

―でも、1つのことを20年も突き詰めてやっているなんて、とてもうらやましいし、憧れます。

「スケートだけだと、本当に狭い世界なんですよ。
でも、おっしゃっていることもわかります。
たとえば、あるバレリーナが『スワン・レイク』でものすごく素晴らしい白鳥と黒鳥を演じたとするでしょう?
その舞台は1時間半くらいかもしれないけど、その1時間半の演技は、それまで彼女が歩んできた20年がなかったらできなかった演技。
だから1時間半の演技だけど、20年間の演技、ともいえるよね。
僕の(昨季の)世界選手権のフリー『くるみ割り人形』も、4分半だけど20年の演技だったんだよね。
20年やってきたからこそできることもある、ってことですよね」

―そうです。そうやってたくさんのことを得てきた先では、どんなことをしていきたいですか?

「振付けもしたいし、コーチ業もときどきやりたい。
それから、企画・運営を含めて新しいアイスショーを作っていきたいです。
特にアジアでもっとたくさんのショーが開けたらいいなと思っています。
それから、スケートとスケート以外の世界を合わせていきたいですね、もういろいろアイデアはあるんです。
それ以外にもいろいろなものを合わせていきたいなあって思っています。
ここ数年、いろいろなこと(アイスショーの企画・運営、振付け、選手のサポートなど)をやってきたのも、将来を考えてのことでもあったんです。
スケーターと両立するのは、体力的に楽ではなかったけどね(笑)」

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以上です。

振付けのために、アメリカ、ロシア、韓国、日本などを飛び回る中、飛行機で到着した成田空港でお話をうかがいました。
(写真は、世界選手権の会場にて撮影)

ミーシャ選手は、いつも本当によくお話を聞かせてくれます。
最初にコンタクトをとったのは、2011年の夏ころ。
そのあと、直接話を聞いたのは、2012年の世界選手権でした。
その時から世界選手権のたびにインタビューをさせてもらってきましたが、いつもいつも楽しい話、楽しいばかりではない話、いろいろ聞かせてくれました。
今回も、たくさんのことを聞かせていただき、本当にありがたかったです。

今シーズン、選手として戦うのかどうか、まだ決めていないと、5月下旬の段階で言っていました。
シーズンオフも終盤。
そろそろ決断している頃かもしれません。
ミーシャ選手の演技、大好きなので、もっともっと競技で見たいです。
でも、もし3月の世界選手権が現役最後の演技になったとしても、新しいシーズンには、昨季よりたくさんのミーシャ作のプログラムが見られるので、そちらも楽しみでなりません。



フィギュアスケートLife Vol.10
フィギュアスケートLife Vol.10


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◆大阪、京都/NHK文化センター梅田教室、京都教室
●梅田教室
7月22日(土)14:00-15:30
「もっと知りたいフィギュアスケート
 ~真央さんの軌跡と4回転新時代~」

前半は、4月に引退を発表した浅田真央さんについてお話します。
ジュニア時代の天真爛漫な姿から、シニアに上がって様々な目標を掲げ、それらを1つ1つクリアしていった様子、2度のオリンピック、そして引退・・・と、彼女がフィギュアスケートを通して見せてきたものについて振り返ります。
後半では、多種類多数回の4回転を多くの選手が跳んでいる男子シングルの「4回転新時代」について、取材現場でのエピソードを交えてお話します。
フィギュアスケートを長く取材してきたライターならではの話を聞ける1日限りの人気講座です。


●京都教室(キャンセル待ち登録になります)
 7月22日(土)18:00-19:30
「フィギュアスケートの世界
 ~日本フィギュアの、この10年の軌跡と展望~」

日本国内で急激に人気スポーツになった、この10年ほどのフィギュアスケートについて振り返ります。
この10年ほどずっとトップで走り続けてきた浅田真央さんの軌跡を追いつつ、2006年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんや2010年バンクーバー五輪銅メダリストの髙橋大輔さん、2014年ソチ五輪金メダリストの羽生結弦さんなどを中心に、日本選手たちの軌跡を追います。
また、7か月後に迫った平昌五輪にむけた現役選手たちのお話もお伝えします。

◆名古屋/栄中日文化センター
●9月9日(土)13:00-14:30
「五輪シーズンというもの」

平昌五輪シーズンがまもなく本格的に始まります。
男子シングルを中心に、これまでの五輪シーズンに関して、前季の世界選手権からグランプリシリーズ、四大陸選手権など五輪直前の大会までの動向を振り返ることで、五輪シーズンというものに特有の傾向を探ります。
そして今シーズンのこれから想像される動向や選手たちの思いなど、今季のスケート界の行方を推察します。


◆東京/朝日カルチャーセンター新宿教室
●9月2日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方②
 ~ロミオとジュリエット~」

チャイコフスキー、ニーノ・ロータ、プロコフィエフ、バズ・ラーマン版と、フィギュアスケートで使われる「ロミオとジュリエット」の曲は様々あります。それらを比較しながら、表現の違いや深みをじっくりと味わいます。

●9月30日(土)13:00-14:30
「フィギュアスケートの楽しみ方③
 ~五輪シーズンとは~」

平昌五輪シーズンが本格的に始まる前に、おもに男子シングルのこれまでの五輪シーズンを振り返ることで、「五輪シーズン」というものがどんな様相を見せてきたのか振り返ります。そして、これから数か月のスケート界に思いを馳せます。