フリーで仕事をしているので、日々、家のリビングにパソコンを出して書き物をしたりしています。
いろいろ自由で便利でいいのだけど、眠い時、やる気が出ない時、集中力が散漫な時、一気にピンチを迎えてしまうんです。
ここから4歩行くとソファがあり、そこに座ったら寝てしまい、寝てしまったら2時間半は起きられないから。

ですが、そんなとき、やっていることがあります。
それは、「だし取り」。
朝食の後、煮干しを水に浸けておき、眠気を催してくる11時台に煮出しちゃう。
なんとなく、煮出すのは夕食を作る前、って思いこんでいたけど、昼のうちに味噌汁とか作っちゃえばいいんじゃないかと思って始めたことです。


11時半過ぎ。
本日も、やってきました、激しい眠気。

これまで毎日寝てきたから、本当にもう寝るわけにはいかない。
近くのファミレスもこの10日ほどで4日は行ったから、ちょっと恥ずかしいし、なにより、新鮮味がなくて店内でも眠くなるようになってしまった。
さらに、歩いていける範囲に、仕事しても大丈夫そうなファミレスなどが2軒しかなく、うち1つはハンバーガーチェーンで子どもたちがわいわいしているので仕事しづらく・・・さて、どうしましょう、という状況。

よし、だしを取ろう!と思い立ちました。


朝、浸けておいた煮干しとその水を鍋にかけ、ぐつぐつぐつ。
沸騰したところから5分くらい、無心でアクを取る。
この、「無心でアクを取る」って作業は、眠気を遠ざけてくれます。
なんだかだしが澄んでくるような気がするし、なによりもいいのは、「ちゃんと生活している感じ」が出るところ。
「だしをちゃんと取る私、それもアクもきっちり取っちゃってるなんて、なんだか素敵な生活みたい」とか思っちゃったんですが、これじゃ全然無心じゃない!
でもまあ、眠気も去ったしいいかな、と。

その後鰹節を投入し、火を止めて、煮干しと鰹節を取り除きました。
本当なら、ここで「濾す」んだろうけど、この「濾す」作業が手間だっていうのも、だし取り素敵生活から遠ざかりがちな要因なので、目のつまった網的なもの(なんていうんだろう、あの道具は)で、すくい取る。

この作業をしているときに毎回思い出すのは、ケンタロウの言葉。
「男子ごはん」(テレビ東京の番組)に出ていたころ、だしをとったあとのお湯を含んだ鰹節をぎゅーっと絞りながら言っていた「こんなことしていると和食のお店から怒られそうだけど、でもここにもおいしいのが残っていますもんね」という言葉。
「だよねー」と今日もひとり、心の中でケンタロウに相槌を打ちながら、菜箸で鰹節をぎゅーっと絞る。

今日はその勢いのまま、適当に野菜やキノコ類を切って投入し、味噌汁ができました。
ああ、よかった。


って、まるで本当に素敵な感じに聞こえるんだけど、実は、ちょっとウソを書きました。
「そんなとき、やっていることがあります。」って文章、ウソです。
眠気が来た時にだしを取るなんて、今日初めてやりました。

「やったことがある(経験があるという意味ではなくて、やった事柄がある、の意味)」と「やっていることがある」って3文字しか違わないのに、意味とかニュアンスとかイヤッとする(嫌だ、というほどではないけど、見過ごせるほどに私の心は広くなかったりする、っていう)具合とかが全然違うことに改めて気づきました。
たった3文字かあ、と。
原稿を書く過程で、ちょっとイヤッとする言い回しに出会うことが何度かあり、素敵生活を送る人みたいな文章を書いてみたくなっちゃったのだけど、でも、だいたいそんな素敵生活を送る人みたいな文章を書いている時点で、ものすごくこっぱずかしいです。


さて、もう14時です。
これじゃ、時間的には、寝て起きたのと変わりないじゃん!
やばし!
味噌汁飲んで、元気に原稿に戻ります。
眠い時には、だし取り、っていうのは、ひとつの発見でした。

がしかし、いまひとつ気づいちゃったんですけど・・・だしを取り終わってしまっている午後、眠くなったらどうしたらいんだろうか・・・。


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●7月15日(土)13:00-14:30
フィギュアスケートの楽しみ方(1)
「五輪メダリストになるまでの軌跡」

7月1日から、スケート界では2017-18シーズンがスタートします。
平昌五輪シーズン前のオフのうちに、
過去の男子シングル五輪メダリストたちが、
どう歩み、戦い、メダルを手にするに至ったのか、
その軌跡を追い、平昌五輪に向かう今の選手たちの動向を探ります。


●9月2日(土)13:00-14:30
フィギュアスケートの楽しみ方(2)
「ロミオとジュリエット」

チャイコフスキー、ニーノ・ロータ、プロコフィエフ、バズ・ラーマン版と、
フィギュアスケートで使われる「ロミオとジュリエット」の曲は様々あります。
それらを比較しながら、表現の違いや深みをじっくりと味わいます。


●9月30日(土)13:00-14:30
フィギュアスケートの楽しみ方(3)
「五輪シーズンとは」

平昌五輪シーズンが本格的に始まる前に、
おもに男子シングルのこれまでの五輪シーズンを振り返ることで、
「五輪シーズン」というものがどんな様相を見せてきたのか振り返ります。
そして、これから数か月のスケート界に思いを馳せます。

ご興味ある皆さま、お待ちしています。
よろしくお願いします。